ドラッグストア等で購入することもでき、価格はおよそ1000円程度で販売されています。
ボルタレンは、特に抗炎症作用が強いことが特徴の薬で、炎症や発熱を抑え、腰痛や関節痛などの痛みを和らげる効果に優れています。
変形性関節症をはじめ、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛、外傷後の腫脹・疼痛に対して効果を発揮します。
ただし、ボルタレンのような消炎鎮痛剤による治療は、腰痛や膝関節痛など原因に対して効き目を発揮するわけではなく、それぞれの症状を緩和する対症療法である点に留意しておく必要があります。

ボルタレンの種類

ボルタレンには様々な種類があり、錠剤タイプ・座薬タイプ・ローションタイプ・ゲルタイプ・テープタイプ・スプレータイプなどがあります。
とくに錠剤と座薬は劇薬指定されているほど、他の解熱鎮痛剤と比較しても一番作用が強い薬です。
同成分が配合された市販の服用するような錠剤や座薬はなく、医師による処方が必要ですが、ローションタイプやゲルタイプ、テープタイプやスプレータイプのボルタレンは広く活用されており、同成分を配合した市販薬も販売されているため、ドラッグストアなどでも購入することができます。
腰痛や変形性関節症の治療においてよく使われているのは、ローションタイプのボルタレンです。
痛みのある箇所に片手でさっと塗ることができるので、肩や首筋、膝関節の裏側など手が届きにくい部分にも塗りやすいことが特徴です。
ローションタイプのボルタレンは、液状タイプなので、容器の先端を患部に押し当てるようにして痛みのある箇所に塗布します。
ボルタレンと非ステロイド薬

ボルタレンとよく似た薬にはロキソニンがあります。
ボルタレンもロキソニンも「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」に分類されます。
ロキソニンは、後発医薬品も含めて臨床現場において非常に広く使われている非ステロイド性抗炎症薬です。
一方、ボルタレンは、ジクロフェナクナトリウムを主成分とする非ステロイド性抗炎症薬で、数ある非ステロイド性抗炎症薬の中でも、鎮痛効果が最も強い薬となっています。
ボルタレンとロキソニンは、どちらも非ステロイド性抗炎症薬は体内で炎症や痛み、熱などを引き起こす物質であるプロスタグランジンの生成を抑える効果があるため、様々な箇所の痛みや炎症、発熱などを抑えてくれます。
プロスタグランジンは、体内でアラキドン酸という物質からシクロオキシゲナーゼという酵素の作用などによって生成されることがわかっています。
プロスタグランジンは、炎症や痛みを引き起こす原因となる他、脳の視床下部にある体調調整中枢に指令を与え、この指令を受け取った体温調節中枢は身体各部の体温を上げるように指示しており、これによって発熱症状が生じます。
そのため、ボルタレンやロキソニンのような非ステロイド性抗炎症薬を用いることでプロスタグランジンの生成を抑えることで痛みや熱の症状を緩和できます。
ボルタレンの副作用に注意!

ジクロフェナクナトリウムを主成分とするボルタレンは、非常に効果の強い薬です。
そのため、副作用には十分に注意して使用する必要があります。
ボルタレンローションの説明書にも、慢性疾患(変形性関節症等)に対してボルタレンローションを用いる場合には、薬物療法以外の療法も考慮するようにとの注意書きもなされています。
先にも説明したように、ボルタレンローションは対症療法であるため、塗布することによって変形性関節症等の原因を取り除くことができるわけではありません。
そのため、ボルタレンローションを使用しても症状が改善されないと感じる場合には、他の治療方法による治療について専門的な知識がある先生の診断を受けるようにすることが大切です。
さらに、ボルタレンローションを使用する場合には、患部の状態を十分観察し、副作用の発現に留意することが必要です。
重大な副作用として、アナフィラキシーショック・接触皮膚炎(使用部位に発赤・紅斑・発疹・そう痒感・疼痛の皮膚症状があらわれ、腫脹・浮腫・水疱・びらん等に悪化して、その症状が全身に拡大していくことがあります)となる場合があるため、ボルタレンローションを使用していて異常が認められた場合には直ちに使用を中止し、適切な処置を行う必要があります。
その他にも、妊婦・産婦・授乳婦等や小児等への使用は推奨されていません。
ボルタレンローションを使用する際には、用法・用量について十分に確認した上で使用することが大切です。