その関節痛には、もしかしたら五十肩の可能性があります。
今回五十肩の原因や対処法、さらに五十肩以外に考えられる病気を書いていきます。

目次
突然の関節痛・・五十肩とは?
50歳前後になると、突然肩の関節に痛みが発生し、動かなくなってしまった・・これが五十肩です。
昔から原因がなく痛みが出て治る病気として、長命病と呼ばれていました。
五十肩別名「肩関節周囲炎」と呼び、多くの方が経験しています。
実は五十肩の原因は解明されておらず、痛みを感じると1年半から2年ほど痛みが続きます。
実は五十肩に正式な定義は存在せず、病院を受診したときに考えられる様々な病気を検査しても異常がない場合に五十肩と診断されるので、五十肩と思っていたら実は違う肩関節の病気ということも非常に多いです。
肩関節は3期に分けられます。
- 急性期(発症から約2週間程度の強い痛みの時期)
- 慢性期(3ヶ月~1年)
- 回復期
痛みが強くなり、動かせる範囲が狭くなっていき、日常性活に支障をきたすレベルになります。
痛みがは急性期よりも改善しますが、日常生活を行うのに不便を感じます。
痛みが少ないため、大きな機能障害がなくなり腕を動かせる範囲が広くなります。
五十肩の原因とは?

上記で五十肩の原因は、はっきりと解明されていないと書きました。
しかし、現在の時点で考えられている、最も有力な原因は「肩関節の老化」です。
肩関節は肩甲骨、腕の骨がある上腕骨、鎖骨の3つで構成されていてその周りを筋肉が支えています。
年齢を重ねると、筋肉に大きな負担が繰り返しかかることになり、筋肉がだんだん硬くなっていきます。
筋肉が硬くなってくと、骨の結合部分である腱に集中し、腱が疲労してもろくなりやすくなり、傷がついて炎症が起きるのです。
さらに、組織の老化が始まると筋肉疲労なかな取れず蓄積されていきます。
このようになると、肩関節の血行が悪くなりちょっとした動作で、激痛が起こってしまうことがあります。
五十肩の症状とは?
では五十肩の症状とはどのようなものがあるのでしょうか?
- ・手が後ろに回らない
- ・手が上に上がらない
- ・夜中ジンジンと痛む
- ・袖を通すのが一苦労
- ・反対の脇の下に手が届かない
- ・夜、痛みで目が覚める
- ・腕がしびれる
このような症状が現れます。
ケガをしているわけではないのに、ある日突然肩が激しく痛み、上下左右に動かせなくなります。
人によっては痛くて痛くて夜も眠れないなど、日常生活に支障をききたしている場合もあります。
ちなみに人から動かされて動くという場合は、五十肩ではありません。
五十肩が起こったときの3つの対処法
五十肩は突然強い痛みが襲うのが特徴ですが、起こった場合どのように対処すればいいのでしょうか?
ここでは対処法を書いていきます。
①急激な痛みを感じたら安静に
急激な痛みを感じたら、安静にして肩を休めることが大切です。
無理な動作は行わず、肩をしっかり休めて上げましょう。
温湿布や温めたタオルを肩に置いたり、ぬるま湯のお湯に入浴するのも効果があります。
②温めてゆっくりと動かす
肩関節の冷えは五十肩には厳禁です。
肩を保温することを心がけ、サポーターを活用するといいでしょう。
肩を動かすときはゆっくり、重いもの持ち運びは少なくしましょう。
③簡単な体操をする
肩関節の周辺の筋肉を保護し、血行を良くしておくことも大切なので肩の関節は動かせる範囲でいいのでゆっくり動かしておきましょう。
ゆっくり上にあげたり、回すという本当に簡単なものでいいです。
もちろん痛くない範囲で無理は禁物です。
五十肩の治療法

五十肩と診断されたら、初期の適切な治療を受けることで症状を長引かせたり、悪化を防ぐことが出来ます。
ではどのような治療方法があるのでしょうか?
①運動療法
まず五十肩の基本の治療方法が「運動療法」です。
目安として2㎏程度の重さをものを持ち、ダンベル体操を行います。
まずは上下に痛くない範囲で動かしていきます。
肩の状態が良くなってきたら、壁押し運動をしたり、壁を利用して腕を上げていくなど動かしていく範囲を広くしていきます。
運動のステップは主治医と相談しながら無理のないペースで進めていきます。
②温熱療法
患部を温めて痛みを和らげます。
病院ではホットパックや、超音波などを使用して肩を温めていきます、常日ごろから肩は冷やさないことが大切です。
③湿布薬の使用
急激な痛みが起こった場合炎症を抑え、熱感を除去するため冷湿布を使用しますが、痛みが軽くなったら温湿布に切り替えます。
あくまでも痛みが強いときにのみ冷湿布は使用するようにしましょう。肩を冷やす原因になり余計に五十肩が悪化します。
痛みが強い場合、鎮痛剤や注射を使用することもあります。さらに改善がみられない場合手術を行う場合もあります。
五十肩ではない?考えられる病気は?
実は五十肩だと思い病院にいったら、違う肩関節の病気だったということはよくあります。
最後は五十肩以外に考えられる病気を書いて大きます。
①腱板断裂
40歳以上の男性に多く、特に右肩に好発する傾向があります。
肩関節の運動障害、運動時の痛み、夜間の痛みが特徴で、特に夜間の痛みが激しく受診する方が多いです。
五十肩との違いは、関節の動きが硬くなっておらず、腕は上にあげることが出来ます。
また、腱板断裂は腕を上げるときに「ジョリジョリ」と音がします。
②石灰沈着性腱板炎
40~50歳の女性に多くみられ、肩腱板内に付着したリン酸カルシウムが、肩腱板内に付着して急な炎症が起こります。
症状の特徴として夜間に突然方に痛みが発生して、寝ることも出来ず関節を動かすことが出来なくなります。
③関節リウマチ
関節リウマチは、関節が炎症を起こして軟骨や骨が破壊される病気で、免疫疾患ともいわれています。
手首や足の指のこわばりやしびれ肩の痛みなどから始まります。
肩関節は肩関節が炎症を起こして、軟骨や骨の破壊されると腕が上がらなくなったり、着替えにも一苦労になります。
③変形性肩関節症
肩関節や軟骨、その周辺の組織が損傷し軟骨がすり減っていくことで、痛みや腕の可動域の制限が起こります。
しかし、膝関節症や股関節症のように常に体重がかかっているわけではないので、発症する確率はかなり低いです。
症状はゆっくりと進行していき、肩の痛みから始まり、症状が悪化すると強い痛みや軋む音がします。
④反復性肩関節脱臼
肩は体の中で最も脱臼が起こりやすく、一度脱臼すると軽い力でも脱臼が起こり易くなります。
この状態を反復性肩関節脱臼といいます。
特に小さい子供はなりやすく、日常生活が制限されてしまう場合、手術適応になります。
まとめ

五十肩は突然痛みが遅い、運動可動域が制限されるのが特徴ですが、実は五十肩以外の病気が隠れている可能性もたくさんあります。
まず痛みが発生したら、安静にし患部を温めて病院を受診し原因をハッキリさせましょう。
また日ごろからストレッチをして筋肉を温めておくことも、五十肩を予防することも大切です。