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肩関節

2018/02/01

肩関節周囲炎とは

AKIRA AKIRA

健康運動指導士
NACA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト

医療機関に従事しながら、これまで生活習慣病に関してや健康のための運動、筋力トレーニングについて等、健康やからだに関する内容を中心に数多くの記事を執筆している。

四十肩や五十肩という言葉をよく耳にすることがあります。
それらは正式には肩関節周囲炎といい、言葉通り肩関節の周囲で炎症が起きている状態を意味します。

肩は体の中でも最も可動範囲が広い関節であり、日常生活で腕を使う動作はたくさんあります。

加齢をともに発症率が高くなる肩関節周囲炎ですが、肩関節周囲炎を発症すると強い痛みが生じ様々な活動が制限されてしまうため、できるだけ未然に防ぎたい障害です。

今回は肩関節周囲炎とはどのような障害なのか、予防や治療法まで幅広く解説していきます。

肩関節とは

肩関節

肩関節は大きく「肩甲上腕関節」、「肩鎖関節」、「胸鎖関節」の3つを総称した用語です。
肩周りには、肩甲骨、上腕骨(肘から上の腕の骨)、鎖骨、胸骨、胸郭などの骨があり、これらの骨で構成されています。

肩甲上腕関節は、肩甲骨の関節窩(くぼみ)に上腕骨頭(上腕骨の先端)がはまっている関節を指します。
肩鎖関節は、肩甲骨の肩峰と鎖骨の遠位側(腕側)の間をつなぐ関節を指します。

胸鎖関節は、胸骨と鎖骨の近位側(胸側)の間をつなぐ関背を指します。
「肩関節」という用語が、肩甲上腕関節を指して使われることが多いです。

肩関節周囲炎とは

肩関節周囲炎とは、肩甲上腕関節の周囲に炎症が生じる障害です。
多くは関節を包む袋(関節包)や、関節の動きを良くするための肩峰下滑液包があり、それらの組織に負担がかかることによって炎症が発生します。

肩甲上腕関節の炎症は、肩周りの筋肉のアンバランスや、関節に負担をかける悪い動きのくせが原因となることが多く、根本的な治療を行わないと慢性化することが多々みられます。

肩関節周囲炎の症状

肩関節周囲炎

肩関節周囲炎は肩関節を動かす際に痛みを生じますが、人によって痛みの感じるポイントは異なります。

代表的なのが、腕が上に挙げられない、服を着たり脱いだりすることができない、頭の後ろで髪を結んだり、腰の後ろでエプロンの紐を結んだりする動作ができないという症状が多く挙げられます。

症状が悪化すると夜寝ている間に痛みが強くて目が覚めたり、肩から腕にかけて常に痛みやしびれがあったりなど、人によって痛みは様々ですが日常生活に支障をきたすことがほとんどです。

肩関節周囲炎の原因

肩関節周囲炎の原因は、関節を包むように存在する筋肉の衰えや筋力のアンバランスがあります。
肩関節の周りには、小円筋、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋があり、これらをまとめて「ローテーターカフ」と呼びます。

これらの筋肉はインナーマッスルと呼ばれ、比較的細い筋肉であるため、使わないと弱く細く衰えてしまいます。

例えば、棘上筋が細くなると、腕を上げるたびに骨の間に挟まれるようになってしまい、インピンジメントという障害を発症し、周囲に炎症を起こします。

他にもローテーターカフの中で筋力のアンバランスが生じ、いつも同じ筋肉ばかりが働いて負担がかかると、筋肉自体が硬くなり炎症を起こしてしまうこともあります。

肩関節周囲炎の予防法

肩

肩関節周囲炎を予防するためには

①ローテーターカフを鍛える

②肩の正しい位置を身につけることが重要です。

①ローテーターカフを鍛える

ローテーターカフは4つの筋肉の総称であり、それぞれの筋肉に効果的な鍛え方があります。
棘上筋…腕を体の真横におろした状態からスタートします。

肘をやや曲げ、腕を肩の高さまで体の横を通って持ち上げていきます。
そのとき親指は天井の方を向け、反動をつけず、肩が上がらないように注意します。

棘下筋、小円筋…脇をしめ、肘を前方に90度曲げた状態からスタートします。
脇をしめたまま、腕をそのまま横に開いていきます。

肘を支点に、手のひらの向きが開くイメージです。

肩甲下筋…棘下筋、小円筋とスタート姿勢は同じです。
脇をしめたまま、腕を体の内側にとじていきます。

これらのトレーニングでは、細い筋肉なので丁寧にゆっくりと行うようにします。
余裕があればペットボトルやダンベルなどおもりを持って行うと効果的です。

②肩の正しい位置を身に付ける

肩関節周囲炎を発症する方の多くは、猫背です。
猫背は横から見ると肩が本来の位置よりも体の前方に飛び出しているように見えます。

肩が前に出てしまっている状態では、肩周りの筋肉が常に従来の長さよりも一方が縮んでいる状態で、一方が伸びている状態になっています。
そのような状態では筋肉は本来の力を発揮することができません。

肩周りの筋肉、ローテーターカフをしっかりと働かせるためには、普段から肩を正しい位置に置いておくことが重要なのです。

肩関節周囲炎の治療法

肩関節周囲炎の治療

肩関節周囲炎で医療機関を受診すると、痛みどめの注射や内服を処方され、安静を指示されることがほとんどです。
しかしそれらの治療は対症療法であり、根本治療にはつながりません。

むしろ安静にしていると筋肉の拘縮を起こし、悪化させてしまうケースもあります。
根本治療のためには、運動療法が最も効果的です。

痛みのない、無理のない範囲から少しずつトレーニングを始めてみましょう。

肩関節周囲炎まとめ

肩関節周囲炎は、肩を使う人、つまり誰でも起こりうる発症率の高い障害です。

一般的に痛みが出ると動きを制限してしまいますが、過度な安静は肩周りの筋肉の拘縮を招いてしまう恐れがあります。

痛みが出る前から、予防的に肩の位置を正しく保ったり、肩周りのトレーニングを始めたりすることをおすすめします。