ジャンパー膝という名前でもしられるその症状の原因と治療方をご紹介します。

膝蓋靱帯とは
まずはじめに膝蓋骨靱帯について、どの場所を指すのかを説明していきたいと思います。「膝蓋骨靱帯」とは膝蓋骨(俗に言うお皿の部分)と脛骨(スネの骨)を繋いでいる靱帯のことをさします。
膝蓋靱帯は一本ではない
言葉の響きから連想すると、太い筋肉のようなものをイメージするかと思いますが実は膝蓋靱帯は一本ではなく複数もの腱が集まってできた束のことをさします。なので、一本が傷ついても症状が出ないこともあります。
膝蓋靱帯の役割
この膝蓋靱帯はどんな働きをしているのかと言うと、膝を伸ばす役割をしていると言われています。
膝蓋靱帯炎とは膝蓋靱帯で起こる炎症のこと
読んで字のごとく、膝蓋靱帯で炎症が起こることを「膝蓋靱帯炎」と言う風に呼びます。
症状①痛み
この膝蓋靱帯に炎症が起こると、どういった症状が現れるのでしょうか?初期の方は無症状で進行するといったケースも少なくはありません。その炎症が広がったり、炎症自体が強くなると痛みが出てきます。痛みが現れる部位としては、ちょうど膝のお皿と呼ばれる部位の周辺にかけて痛みを放つようになります。また、膝の裏に痛みが生じる場合もあります。
症状②熱感
どの部位でも共通して言えることなのですが、炎症がひどくなるとその部位から熱を発するようになります。膝蓋靱帯炎も同じで、炎症が進行すると熱を放つようになるケースもあり痛みを伴う部位と一致して熱感を感じることがあります。
③歩くことが困難なケースも
炎症が重症化しているケース、もしくは靱帯そのものが断裂している可能性があります。通常なら徐々に痛みが出てくる場合がほとんどで急激に痛くなるケースは稀ですが、歩行が困難なほどの痛みが出てきた場合は炎症の他に靱帯の断裂も考えられるので早急に医療機関を受診することをお勧めします。
そもそも膝蓋靱帯炎ってなぜ起こるの?
膝蓋靱帯炎が起こる原因を見てみましょう。
別名:ジャンパー膝と呼ばれる
なぜジャンパー膝と呼ばれているかと言うと、実は膝蓋腱靱帯炎とはジャンプ力の高い選手があることが多いと言われています。ジャンプをした時に、膝蓋腱靱帯に負荷がかかり痛みが出ることがわかっています。
ジャンプ競技を主とする、体操選手や走り幅跳び選手に多いとされています。この跳躍を主とする競技なのですが、室外でする走り幅跳びなどの競技より室内で行う競技の方が発症しやすい傾向にあります。
また、その他にも長距離走の選手やサッカー選手も長時間膝蓋腱靱帯を使用するためこの疾患を患う確率が高いようです。
好発年齢は10〜20代
身体を動かすことの多い、10〜20代に好発されると言われており男女比でいうと大差はないようですが、若干男性に多い傾向です。
膝蓋腱靱帯炎を疑ったら
膝蓋腱靱帯炎の可能性がある場合どうしたらよいのでしょうか?
症状が軽いのならまずは整体でも治療可能
上記の症状があり、まだ痛みが軽度なら病院を緊急で受診する必要性は低いと判断します。膝蓋腱靱帯炎は初期の段階なら、整体での治療も可能になるので「痛いけど病院に行くほどでは・・・」という方は、整体に行って相談してみましょう。中には、膝蓋腱靱帯の治療を行なっていない整体もあるようなので事前に問い合わせてみることをお勧めします。
痛みがひどい場合や歩行に支障をきたしている場合
痛みがひどく、歩行が困難な場合は整体に行くのではなくすぐに整形外科がある病院を受診するようにしましょう。また、痛みが夜中に出てきて眠れないほどの場合は、救急受診で応急的に痛み止め等を処方してくれる場合もあります。そういった場合は、翌日に整形外科を受診する等して医師の指示を仰ぎましょう。膝蓋腱靱帯炎の場合やもしかすると靱帯が断裂してしまっている可能性も否定できません。
膝蓋腱靱帯炎の診断基準
膝蓋腱靱帯炎の診断基準をご紹介します。
靱帯損傷がないことを確認
先にお話しした症状があり、室外靱帯炎を疑う場合実は「診断の基準」というものはないのですが病院を受診した場合まず靱帯の損傷がないことを確認します。靱帯損傷(断裂)を除外することを優先的に行います。
疾患に一致した部位での痛み
病院を受診した場合をお話していますが、靱帯損傷(断裂)がないことを確認したのちに、膝蓋腱靱帯に一致する部位での痛みがある場合は膝蓋腱靱帯炎の診断をつける場合がほとんどです。
また、症状のみではなく普段スポーツをしているかや足を長時間使うような動きをしているかの問診も参考に診断をつける形になります。
膝蓋腱靱帯炎に似ている疾患
膝蓋靭帯炎と似ている疾患にOsgood Schlatter病、Sinding-Larsen-Johansson病、有痛性分離膝蓋骨、神経病性関節症(シャルコー関節)痛風、偽痛風、膝蓋嚢腫、滑膜ひだ(タナ)障害、半月板損傷、膝蓋骨不安定症などがあります。膝蓋靱帯炎と思っていても、実は全く別の疾患だったというケースもあります。そうなった場合は治療法が全く異なる場合があります。
膝蓋靱帯炎の治療法
膝蓋靱帯炎になってしまった場合の治療法は、以下の通りです。
安静が第一
可能なら症状が軽快するまで、安静にする必要があります。靱帯の炎症なので炎症が起こっている時に追い打ちをかけるように使ってしまうと、さらに炎症を悪化させてしまう可能があります。
安静が難しい場合は、長時間立ちっぱなしでいるのではなく時々座ったり運動は控えるなどの工夫が必要です。
痛み止め
痛みがひどい場合、治療を行う際も痛みが生じてしまうので治療もスムーズに進まない場合があります。まずは痛みを取り除くことを優先し、痛み止めの内服や患部にステロイドの注射(鎮痛・抗炎症作用あり)を打つことで症状が軽快するケースが多くあります。
電気治療
膝蓋靱帯炎は周囲の筋肉が硬くなっているので、患部に電気を流し筋肉を緩めるといった治療法を行います。また、電気を流すことで痛みを抑える効果も期待できます。
超音波療法
電気療法とは異なり。低周波の電波を当てることで傷ついた筋肉の補正をしている効果があります。また、電波が筋肉を温めることで緩めてくれ鎮痛作用も発揮されます。
筋トレ
膝蓋靱帯炎には太ももの筋肉が大きく関係してきます。その為、筋トレを行うことで筋肉を強化することで症状改善に繋がるとされています。筋トレの方法は一歩間違えると、症状悪化に繋がるので必ず専門家と一緒に行う(または指導を受ける)ことをお勧めします。
手術
基本的に炎症のみで手術になることはないとされていますが、炎症が激しく靱帯断裂に及んでいる場合(または及びそうな時)はその部位を縫い合わせる手術が必要になります。
まとめ
膝蓋靱帯炎の原因から治療法まで一気に説明しましたが、いかがでしょうか?もし同様の症状が出てきた場合は、ここでのまとめを参考にしてみてください。