さらに年齢を重ねて起こる変形性関節症や、四十肩、五十肩、さらには骨のがんといわれる骨肉腫まで本当に様々な病気があります。
そこで今回は膠原病が原因で起きている関節の痛みについて詳しく調べてみました。
特に女性は膠原病の確率が男性よりも高いといわれていて、発症率も多くなっています。
他人事ではないので、この記事でしっかり確認しておきましょう。

目次
そもそも膠原病とは

出典 : https://nanairo.jp/
膠原病とは、靭帯や骨、軟骨、皮膚といった全身に障害が起こる疾患すべてのことを言います。
「関節リウマチ」は聞いたことある方も多いのではないでしょうか?
膠原病は、自分の自己免疫疾患となっています。
人の体にはウィルスや細菌が入ってきたら、そのウィルスや細菌から守ろうとします。
しかし膠原病の場合、本来害ではない自分の体の部分を害と思い攻撃してしまう病気です。
関節リウマチについてはこの記事で詳しく書いてあるのでぜひ参考にしてくださいね。
ここからは、関節リウマチ以外の、関節の痛みが発生する膠原病を書いていきます。
実は膠原病は、診断がなかなかつかなくて苦しんだ方も多くいます。
診断がつくまでに何件も病院を変えたという方もいます。
この記事で関節の痛みの中には、膠原病がたくさんあるということを知っていただければ幸いです。
関節の痛みが発生する膠原病の種類を見てみよう

①全身性エリテマトーデス
全身性エリテマトーデスは「SEL」ともいわれていて、全身に様々な症状が現れます。
国から難病指定されている病気となっています。
症状
- ・手や指やひじ、膝の関節に痛みが出て腫れる、毎日痛む場所が違う
- ・しもやけのような発疹、頬に蝶のような発疹ができる
- ・日光過敏症
- ・頬の内側、口の奥に痛みのない口内炎ができる
- ・鬱症状
- ・片頭痛、痙攣、てんかん
手や指、ひじ、膝の関節の痛みが出たら9割の患者に発生するといわれているくらい、多い症状になります。
しかし、関節リウマチと勘違いされてしまうこともあります。
ですが、全身エリテマトーデスは、関節リウマチと違い関節破壊は起こりません。
さらに人によって日によって、体の症状の出方も様々です。
原因
全身エリテマトーデスの原因は、はっきりわかっていません。
自分の免疫が異常を起こして、自分の体を自分で攻撃してしまう自己免疫疾患ということしかわかっていません。
今現時点でわかっている可能性のある原因は
- ・遺伝
- ・強い紫外線を長く浴びた
- ・ウィルス感染
- ・薬剤
このようなものが挙げられています。
男女比は1:9と圧倒的に女性に多く発症している病気で、20代30代に多く発病しています。
妊娠・出産を機に発症することもあるので、女性ホルモンも原因があるのではないかと考えられています。
治療法
全身エリテマトーデス病は、投薬治療が基本となっています。
抗炎症薬で、非ステロイド系抗炎症薬、副腎皮ステロイド薬を使用します。
さらに内臓や中枢神経の障害が起きる場合、免疫抑制剤も併用して症状を緩和していきます。
症状が落ち着いたら、薬を減らしたり、中止したりしている方もいます。
②強皮症
強皮症は皮膚が固くなる病気で、一部の皮膚が固くなる限局性強皮症と、内臓や血管も侵される全身性強皮症があります。
幼児からお年寄りまで発症しますが、特に30代50代の女性に多い疾患です。
症状
- ・口を大きく開けにくく、食べ物を飲み込みにくい
- ・指が伸びなくなる、関節痛
- ・下痢
- ・皮膚に潰瘍ができる
- ・肺に炎症が起き空咳、息切れが起きる
- ・むくみ、腫れ、皮膚が固くなる
まず指の浮腫みから始まり、全体的に腫れてきます。
最初は指だけですが、徐々に手首をこえて前腕まで広がり、さらに進行すると皮膚が固くなってきます。
心臓や腎臓にも症状が現れることもあります。
原因
はっきりとした原因がわかっていないので、難病に指定されています。
しかし、考えられる原因としては
- ・生まれながらに持っている素因
- ・有機溶媒や薬剤、特定の化学物質といった環境要因
- ・ウィルス感染
これらが考えられています。
まだまだ原因追及が日々行われている病気なのです。
治療法
病気の進行度によって治療法が変わっていきます。
対処療法と、疾患修飾療法がおこなわれます。
使用される薬は、プレドニンといわれるステロイド薬、さらにエンドキサンという免疫抑制剤です。
③結節性多発動脈炎
結節性多発動脈炎は、原因不明の全身性炎症が血管に発症する病気となっています。
動脈瘤や、狭窄が起こり、血流障害が起こり、難病指定にもされています。
危険度も高く、早期発見・早期治療がとても大切になってきます。
この病気は女性よりも40歳~60歳の男性に多くみられる病気になっています。
症状
- ・食欲減退
- ・関節痛、筋力の低下、筋肉痛
- ・倦怠感、高熱、体重の減少
- ・重度の場合、肝機能障害や視力障害が起こる
以上が症状になります。
関節痛や食欲減退で体重減少が起こって異変に気付きます。
高熱は38度~40度の高熱になることがたびたび起こります。
原因
肝炎ウィルスとったウィルスや自己免疫異常が原因と言われていますが、詳しい原因はわかっていません。
まだまだ研究されている病気です。
治療
大量のステロイド薬と免疫抑制剤を使用していきます。
だんだんと薬を減らしていき、腎不全が起きたときは、透析で治療していきます。
診断後6ヶ月以内の死亡率が高く、予後があまりよくない病気ですが、早期発見することで、完治したという例もあります。
おかしいなと思ったら放置せず、すぐに医療機関を受診してくださいね。
④アレルギー性肉芽腫性血管炎
アレルギー性肉芽腫性血管炎は、白血球の一種である好酸球が増えるの同時に、細い血管に、血管障害が起こる病気となっています。
30歳~60歳に発症し、男女比は4:6と女性に多い病気となっています。
症状
- ・発熱、体重減少
- ・手足のしびれや脱力といった末梢性神経炎
- ・出血斑
- ・関節痛、筋肉痛、腹痛
とくに発熱や全身倦怠感、体重減少は78%のひとに見られ、関節炎は61%と半分以上の方に見られる症状になっています。
時には脳梗塞、脳出血、脳血管炎と脳にまで症状が出ます。
以上が症状となります。
原因
気管支喘息、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎にかかっている方に発症します。
このような症状が数年間持続したあとに発症するのが、このアレルギー性肉芽腫性血管炎となっています。
しかしなぜこれらが原因で発症するのか、詳しくはわかっていない状態です。
治療法
ステロイド薬に反応するため、ステロイド薬を使います。
プレドニンを使用し、量を調整していきます。
また、免疫抑制剤や、抗凝固薬、血小板療法、といった薬も併用していき治療していきます。
⑤リウマチ熱
リウマチ熱は高熱を発症する病気で、5~15歳の子どもに多く発症する病気です。
子供の発症率に男女差はなく、日本ではほとんど見られません。
しかし中には発症してしまう方もいます。
症状
- ・39度前後の高熱が出る
- ・膝、足、ヒジ、手首の強い関節痛
- ・移動性関節炎の発症
- ・心臓の弁が障害され、むくみや倦怠感、心不全症状
39度の高熱と強い関節の痛みが大きな症状となっています。
関節の痛みは、次の日には別の場所が痛むというように痛みが移動することもあります。
中には情緒も不安定になり、行動や言葉が乱暴に異常行動が見られる場合もあります。
原因
リウマチ熱の原因は、A郡連鎖球菌溶連菌によるのどの風邪が完全に治っていない、治療が不十分な場合に、治ってから2,3週間後に突然高熱を出します。
溶連菌に対する免疫力が自分の関節や、心臓を攻撃するために起こるのが原因と言われています。
治療法
ペニシリンという抗生剤を使用して溶連菌をしっかり治療することからはじめます。
また、リウマチ熱を発症した子供は、溶連菌感染症にかかりやすく、リウマチ熱を再発します。
リウマチ熱の予防にもペニシリン予防内服薬が使用されます。
この内服薬は一生継続して飲む必要があります。
⑥シェーグレン症候群
シェーグレン症候群は自己免疫疾患の代表的な疾患となっていて、難病にも指定されている病気です。
40歳から60歳の女性に多く発症する病気となっています。
症状
- ・口が乾く
- ・複数の関節が痛い
- ・疲れやすい、頭痛、集中力の低下
- ・膣が乾きやすく、性行時に痛みを感じる
- ・目が乾く、めやにがたまる、ものが歪んでみえる
以上の症状があります。
特に多い症状が疲れやすい、口の渇き、関節の痛みとなっていて、関節の痛みに関しては体の複数の関節部分が痛くなります。
関節リウマチとは違い、関節破壊が進むことはありません。
原因
- ・遺伝
- ・女性ホルモンの影響
- ・ウィルスの感染
- ・免疫学的異常
実はシェーグレン症候群も原因がはっきりとわかっていません。
しかし上記の条件が3つ4つ重なってシェーグレン症候群が発症するともいわれています。
また女性に多いことからホルモン減少し、ホルモンバランスが乱れることによって起こるという考えもあります。
治療法
原因がわかっていないので、対処療法になります。
目や口の乾燥を防ぐため、内服薬が処方されたり、関節痛、膣の渇きに対しても痛みや渇きを和らげる治療になります。
一生治療が必要な病気なので、自分の判断で薬の服用を中止することはできません。
病院の医師との相性もとても大切なので、信頼できる病院選びをすることも大切です。
まとめ

いかがでしたか?
今回は関節の痛みの病気の中でも膠原病に焦点を当ててみました。
実はなぜ今回膠原病にスポットを当てたのかというと、義母が膠原病と診断されたからです。
診断に至るまで何回も病院を変え、さまざまな検査をしてきました。
義母は、絶対におかしいと感じましたが、変形性膝関節症やリウマチと間違えられたりしました。
病名は、身元がばれてしまう可能性があるので伏せます。
このように膠原病はなかなか診断がつきません。
では最後にまとめを書いておきます。
- ・関節の病気で膠原病の可能性もある
- ・膠原病は男性よりも女性に多く発症しやすい
- ・どの病気も難病指定されている
- ・早期発見、早期治療が大切
以上4つが今回のまとめとなります。
ただの関節痛と思ったら重大な病気の可能性もあります。
ぜひたかが関節の痛みと思わず、自分の症状をしっかり自覚し医療機関を受診してくださいね。