そこで今回はこの変形性膝関節症の症状について見ていきますよ。
ぜひ参考にしてくださいね。

目次
変形性膝関節症とは

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変形性膝関節症とは、膝の関節にある軟骨がすり減痛みが発生する病気になります。
膝の軟骨にはクッションの役割があり、軟骨がすり減ることでクッション作用も低下するので、痛みが起こってしまいます。
多くは50代に発症し、ほぼ1:3で女性に多くみられる膝の病気となっていています。
症状
・立ち上がって歩くときに膝が痛む
・水がたまる
・階段の上り降りで膝が痛む
・膝がまっすぐに伸びない
このような症状があります。実際はもう少しありますが、後ほど詳しく書きますね。
初期の痛みの特徴としては、動かしはじめに痛むということです。
原因
主な原因は「関節軟骨の老化」があります。
しかし、肥満や要因遺伝子も関係しているとも言われていて、原因が特定できないことが多い疾患です。
また、骨折や靭帯損傷、半月板損症といった外傷や、化膿性関節炎といた膝の感染症の後遺症が原因で起こることもあります。
ですが一番多いのが「加齢」により軟骨関節が弾力を失ってしまうことにあります。
変形性膝関節症の症状には4段階ある

実は変形性膝関節症の症状には、軟膏のすり減りや、変形度合いで4段階に分類することが出来ます。
一緒に確認していきましょう。
前期ステージ1
前期とは、変形性膝関節症の前触れになっていて、正座をしたら違和感やこわばりを感じるところから始まります。
人によってはだるさを感じることも。
痛みはほとんどないのが特徴です。
このとき膝の関節の軟膏は変形が少なくまだ、クッション性があります。
初期ステージ2
初期の段階では、正座をするときに痛みを感じるようになります。
しかし、正座をしている間は痛みがないのが特徴です。
歩き出したり、走りだすときと言ったように、動作の最初に痛みが起こります
軟骨の状態は、弾力が低下していてクッション性が低下している状態です。
レントゲンをとったとき、関節の隙間が狭く写り、骨の変形も見られます。
ここで変形性膝関節症と診断出来ます。
進行期ステージ3
さらに進むと、動作のはじめだけではなく、動作の最中に痛むようになってきます。
足を伸ばすと痛みが和らぎます。
このとき軟骨はすリ減っていて、骨の刺も見られるようになります。
関節の間も狭くなっていて、ステージ2よりも状態が悪化し、典型的な変形性膝関節症となります。
末期ステージ4
末期になると、正座をすることはおろか、時には曲げることも困難になり常に膝が痛い状態になります。
安静にしていても痛みを感じ、膝を動かすことが出来ません。
骨の変形も進み、関節の隙間がほとんどなくなってしまっている状態です。
人によっては、レントゲンで見たときに大腿骨と脛骨が触れているように見える人もいます。
変形性膝関節症になりやすい人とは

変形性膝関節症は加齢が原因と書きましたが、その他にもなりやすい人というのがわかっています。
原因にも直結するので、ここで詳しく書いていきますね。
①運動不足
運動不足になると、足の筋肉も衰えて膝にかかる負担が増え、膝の軟骨のすり減りも大きくなってしまいます。
膝のまわりの筋肉は、膝を支えるクッションの役割もあるので、日ごろから運動不足の人は注意が必要です。
②女性
変形性膝関節症は男性よりも女性に多く見られます。
女性は男性に比べて筋力が低いこと、さらに女性ホルモンは滑膜を守る働きもあるので、ホルモンの減少も関係しているとも言われていますよ。
③両親が変形性膝関節症
変形性膝関節症は、遺伝性もあることがわかっています。
自分の両親が両方とも変形性膝関節症の場合は注意が必要になります。
④O脚である
日本人の約80~90%の人がO脚ともいわれていて、O脚の人は内側に負担がかかりやすく、変形性膝関節症になりやすい傾向にあります。
⑤膝を損傷したことがある
特に激しいスポーツをして半月板損傷や靭帯損傷が起こると、年齢が若くても変形性膝関節症になる可能性があります。
そういった面でも大きなケガをされた方はしっかりとリハビリすることが大切です。
以上が変形性膝関節症になりやすい人の特徴になります。
当てはまるものはありましたか?
怪しいなと思ったら「整形外科」へ
膝が痛くなり、もしかして・・と思ったら「整形外科」を受診しましょう。
整形外科ではレントゲンをとり、変形性膝関節症の診断を行います。
レントゲンを撮る前に、触診で痛み確認し、関節の周囲を確認します。
そしてレントゲンをとり、骨の変形や関節の隙間をチェックしていきます。
実は、私は病院の整形外科に勤めていたことがありますが、変形性膝関節症の人はかなり多いです。
自分はまだ大丈夫と思っている方も他人事ではありませんよ!
変形性膝関節症の治療方法は

では変形性膝関節症治療方法を見ていきましょう
①運動療法
変形性膝関節症の基本的な治療法はこの運動療法になります。
膝の関節周辺に筋肉のストレッチ、さらに筋肉をつけるためのトレーニングをすることで、前期の痛みはかなり改善します。
足上げ運動
太ももの前の筋肉を鍛える運動になります。
1. 仰向けになって片足を立てます。
2. 伸ばしている足を10㎝ほど上にあげます。
3. その状態っで5秒キープし、ゆっくりおろします。
4. 反対側の足もこの動作を繰り返します。
足の横上げ体操
お尻を鍛えることで骨盤を安定させ膝にかかる負担を減らせる運動です。
1. 横向きに寝て、下にある足を少し曲げます。
2. 上の方にある足を10㎝ほど上にあげます。
3. そのまま5秒キープしてゆっくり下げます。
4. 反対側の足もこの動作を繰り返します。
足の後ろ上げ体操
お尻の筋肉を鍛える体操になっています。
1. うつぶせになり、腕はあごの下に置きます。
2. 片足を10㎝ほどあげます。
3. 5秒キープしてからゆっくりおろします。
4. 反対側の足もこの動作を繰り返します。
以上がよく行われる運動療法になります。
変形性膝関節症と診断されていない方も、予防につながりますよ
②薬物療法
痛みがひどいときは、関節の痛みを和らげる薬を使用します。
非ステロイド系抗炎症薬といい、痛みの元となるプロスタグランジンという物質の生成を抑える効果がある薬です。
塗るタイプ、飲むタイプ・座薬があります。
ですが、これは切れてしまえば、また痛くなってしまいます。
そこで登場するのが「ヒアルロン酸注射」になります。
ヒアルロン酸は関節液にも含まれている成分で、関節の動きを滑らかにする働きがあります。
変形性膝関節症はこのヒアルロン酸が減少しているので、注射で直接注入し補うことで関節の動きを滑らかにして、痛みや炎症を改善していきます。
週1回、5週間から始まり、効果があった場合は24週間に1回という間隔で注射をしていきます。
痛みが本当にひどい場合は、ステロイド注射をすることもありますが、副作用が強いため、注意が必要です。
③補装具を付ける
関節を支えて、関節の負担を減らすことを目的として、装具・補装具を使用します。
足底板と呼ばれる、足の底につける中敷きで、膝の内側にかかる負担を軽くするものや、杖、サポーターといったものと様々な種類があります。
これと同時に運動療法を取り入れることが大切になってきます。
④手術
上の①,③を試しても効果がないという場合や、末期でひどい状態の場合は手術をすることもあります。
関節鏡視下手術といい、膝の中に小さなカメラをいれて関節の中をきれいに洗い、骨の刺や軟骨の切除をします。
痛みを軽減する効果があり、手術跡もすくないので患者さんの負担も少ないのが特徴です。
さらに、軟骨がすり減っている状態の場合、人工関節置換術といった、変形した骨を取り除いて、人工関節を使用する方法もあります。
受ける年齢によって適した手術がありますので、整形外科の先生とよく相談して決めましょう。
まとめ

いかがでしたか?
今回は変形性膝関節症の症状について見てきました。
最後はこの記事のまとめを書いておきます。
・変形性膝関節症は膝の軟骨がすり減って起こる病気
・段階があり、末期になると常に痛く、骨の変形もひどい
・女性やO脚、運動不足の人もなりやすい
・基本的には運動療法だが、骨の変形や軟骨のすり減りがひどい場合は手術になることもある
以上4つが今回のまとめとなります。
変形性膝関節症は予備軍も含め2,400万人いると言われているとても身近な膝の病気になっています。
自分はまだ大丈夫ではなく、日ごろから運動をして足の筋肉を鍛えることをお勧めします。