joint-care

人工股関節を持つ女性

2018/01/29

人工股関節手術の効果

AKIRA AKIRA

健康運動指導士
NACA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト

医療機関に従事しながら、これまで生活習慣病に関してや健康のための運動、筋力トレーニングについて等、健康やからだに関する内容を中心に数多くの記事を執筆している。

みなさん、股関節に痛みはありませんか?

股関節は人間のあらゆる動作にとって、とても重要な部位です。

なんらかの障害や疾病が原因で股関節が機能しなくなった場合に、股関節を「人工股関節」と取り換える人工股関節手術があります。

人工股関節と聞くと恐ろしいイメージがあるかもしれませんが、痛みを抱えたままの生活よりも、人工股関節手術によって生活の活動性が高まる例がたくさんあります。

今回は人工股関節手術について解説をしていきます。

股関節とは

股関節のレントゲン写真

股関節はちょうど足のつけ根に位置し、人間の体の中で最も大きな関節で、体重を支えたり立ち座りや歩いたりするときなど様々な動作において重要な役割を果たします。

股関節に痛みが生じたり動かすことができなくなったりすると、普段何気なく行っていた動作のほとんどができなくなってしまいます。

股関節の内部には、骨同士の間に関節軟骨があり、クッションのような役割を果たしています。

しかし加齢や使いすぎによって関節軟骨がすり減ってしまうと、骨同士が接触し激しい痛みを生じます。
関節軟骨は再生することができないため、治療法として「人工股関節」を関節内に入れる手術があります。

人工股関節手術とは

人工股関節手術は、人工股関節置換術ともよばれ、元々の股関節内で損傷している部分を人工の股関節に置き換える手術をいいます。

人工股関節は金属でできているものや、プラスチックでできているものなど様々です。
人工股関節は、元々私たちの体の中にある大腿骨頭と寛骨臼と同じ形状をしており、関節としての動き方も変わりありません。

基本的に人工股関節手術は全身麻酔をかけて手術時間約2~3時間で行われ、術後の様子を見ながら患部を動かすリハビリテーションが行われます。
予後が良ければ、術後2週間程度で退院することが多いです。

人工股関節は長年使用することで緩みが生じるため、10~20年に1度、再置換(入れ替え)の手術が必要といわれています。
人によって動きや運動頻度も異なるため、人工股関節の状態をみるために、手術後も定期的な受診が必要となります。

人工股関節手術が必要な例

人工股関節

人工股関節手術が必要な例として多いのが、変形性股関節症、大腿骨頭壊死症、関節リウマチ、大腿骨寛骨臼インピジメントなどがあります。
いずれも加齢や患部の使い過ぎとともに発症のリスクが高くなります。

人工股関節手術の効果

これらの障害の多くは、患部に痛みを生じているため日常生活の動作に制限があったり、生活の質(QOL)の低下がみられたりします。

活動性が低くなるだけでなく、痛みのある患部を無意識にかばうため筋力の低下や骨粗鬆症の発症や進行が懸念されます。

人工股関節では、手術を受けることで患部の痛みはなくなり、日常動作もほぼ問題なくできるようになるため、筋力低下や骨粗鬆症など二次的な障害を防ぐためにも効果があります。

人工股関節に置換した後の動作として、通常歩行、自転車や自動車の運転、水泳、サイクリング、ゴルフ、社交ダンス、ボウリングなどの運動は問題なく行うことができます。

正しい動作で行うことが前提になりますが、アメリカ股関節学会では、これらの軽運動を術後の生活の中に取り入れることを推奨しています。

しかし激しい動作や衝突の危険を伴う野球やバスケットボール、サッカー、激しいダンスなどは人工股関節に負担がかかることが予想されるため推奨されません。
ほかにも日常動作では前かがみやしゃがみ、正座なども問題なく行えるようになります。

日常動作だけでなく、スポーツも行えるようになるため、生活の質が向上することが大いに期待できます。

人工股関節手術後の過ごし方

人工股関節を持つ医者

人工股関節手術後すぐは数日安静に過ごしますが、予後の状態を見ながら活動性を高めていきます。
一般的には手術後2~3日で車椅子での移動が許可され、4~5日でゆっくりと歩行練習を始めます。

歩行練習と同時に、少しずつ日常生活動作ができるように、入浴や階段の上り下り、トイレの使用など活動性を高めていきます。
手術前から患部周囲の筋力は弱くなっていることが予想されるため、リハビリテーションで患部周囲の筋肉を使い、筋力を高めるようにしていくことも大切です。

人工股関節手術まとめ

今回は人工股関節手術について説明をしました。

人工股関節手術と聞くと、「体の中に異物を入れるなんて」と最初は怖い印象を持つ方が多いかもしれませんが、人工股関節に取り換えることで痛みから解放され、できるようになることが多くなります。

人工股関節手術を受けた人の多くは、「手術を受けてよかった」「以前の自分の足のように動けるようになった」と、これまでの痛みや動きの制限から解放されて良かったと感じる方がほとんどのようです。

ただし、自分の股関節であっても人工股関節であっても、脚の筋力を鍛えたり、毎日活発に動いたりすることは共通して重要です。

生涯自分の足で元気に歩けるように、最善の選択ができると良いですね。