
ドケルバン病という障害をご存知ですか?
最近ドケルバン病を発症する人が多くなっています。
その原因は現代に多くなっている動きの、パソコンやスマートフォンの使いすぎが挙げられます。
年齢関係なく、若い方から中高年までが発症しているドケルバン病。
日常生活でよく使う部位の障害のため、一度発症するとくり返し発症したり慢性化しやすい特徴があります。
適切に予防と改善をし、痛み知らずの快適な生活を送れるようにしましょう。
今回はドケルバン病について解説していきます。
ドケルバン病とは

腱鞘炎という障害は、ご存知の方が多いと思います。
ドケルバン病とは腱鞘炎の一種で、スイスのドケルバン医師が報告したことでその名がついています。
ドケルバン病は、手首から親指につながる腱に炎症が起こった状態をいい、親指から手首にかけて痛みが生じます。
症状が悪化すると親指を少し動かすだけでも強い痛みを感じたり、炎症部分が腫れたりすることがあります。
ドケルバン病の原因
ドケルバン病の多くは、親指の使いすぎです。
手首から親指にかけて、短母指伸筋腱という親指を伸ばす働きをする腱と、長母指外転筋腱という親指を広げる働きをする腱がついており、この2種類の腱が束ねられている部位を腱鞘といいます。
親指を使いすぎる動きとしては、スマホの操作、パソコンのキーボード操作、ピアノの演奏、鉛筆やペンでの執筆、子育てに携わる方では抱っこなどが挙げられます。
最近はスマホの普及により、スマホの使いすぎによる発症が多くなっています。
特にスマホを片手で持ったまま親指で操作する方は注意が必要です。
ドケルバン病の診断

ドケルバン病は、親指から手首にかけての部分のうち、手首側に腫れや痛みがあることが特徴です。
診断では、親指を内側に曲げたときに痛みが出るかどうかや、手首を小指側に曲げたときに痛みが出るかどうかで判断できます。
簡単に検査をすることができるので、自分で行ってみてもわかることが多くあります。
ドケルバン病の治療法
ドケルバン病の治療は、安静が基本となります。
原因が使いすぎによる腱の炎症なので、炎症が治まるまで腱を休ませる必要があります。
痛みが強い場合は腱鞘内ステロイド注射といわれる痛み止めの注射を打つこともありますが、対症療法のため根本治療とは言えません。
そのため時間が経つと痛みが再発することが多々あります。
どうしても動かしてしまう場合は、テーピングや添木のようなものを利用して親指が内側に曲がることがないように固定をする方法もあります。
徹底的に安静にするためには固定をすると良いかもしれません。
また再発をくり返す場合や安静にしていても改善がみられない場合は、手術を行う例もあります。
腱鞘切開といい、腫れて炎症を起こしている腱鞘を切り開く手術です。
これは症状が悪化した場合やくり返し発症することで日常生活や仕事等に支障をきたす場合に行われます。
ドケルバン病の予防法

ドケルバン病の一番の予防法は、原因となった使いすぎの動作を避けることです。
その活動自体を辞めることは難しいので、例えばスマホの操作の場合だと痛みを生じた側と反対の手で操作を行うなどがあります。
しかし反対の手も使いすぎると同様にドケルバン病を発症してしまう恐れがあるため、根本的な予防としては、スマホを必要時以外使わないことが効果的です。
使用回数・時間を減らした上で、片手の親指のみを使って操作をするのではなく両手を使ったり、他の指を使ったり、一か所への負担の集中を防ぐことが大切です。
他にもパソコンや育児などで親指側を多く使った場合は、途中で休憩をはさみ、親指を反対側に伸ばすストレッチを行うのも良いでしょう。
炎症を悪化させないために、違和感や痛みが出たらすぐに患部を冷やすというのも一つ方法として挙げられます。
また筋肉や神経は全身つながっているため、使いすぎた親指や手首以外にも、その先にある肘や肩、首のストレッチも併せて行うことで疲れがとれやすくなります。
ドケルバン病まとめ
ドケルバン病について説明しましたが、いかがでしたか?
スマホの使いすぎはドケルバン病以外にも様々な障害を引き起こすことがあります。
今一度スマホの使い方を見直し、必要時以外は使わない、1日のうちで使わない時間帯を設定するなどの工夫をし、自分なりの使い方“マイ・ルール”を決めると良いでしょう。
また私たちの動きはすべて筋肉と関節の働きによって行われています。
今回の親指に限らず、使った部分はストレッチをして疲れを軽減させる習慣をつけると、痛み・障害知らずの体をつくりあげることが期待できます。
この記事をスマホで読んでいる方は、読み終わったら一度手首、肘、首などのストレッチを行ってみてくださいね。