膝の痛みはとても身近な病気で、膝痛に悩む人は全国で1000万人以上と言われています。
そんな膝痛ですが、どのようにして治せばいいのでしょうか?
今回は、膝の痛みの治療法について紹介していきます。
膝の痛みに悩んでいる方は是非この記事を参考にししっかりと対策しましょう。

膝の痛みはなぜ起こるの?

では膝が痛む原因を知るためにまずは膝の仕組みを確認しましょう。
膝は太ももの骨である「大腿骨」とすねの「脛骨」の間にあります。
この二つの骨が直接ぶつからないように関節軟骨と言われるものが緩衝材の役割をしてくれています。分かりやすく言えばクッションとして膝関節の衝撃を吸収してくれています。
この関節軟骨はすり減るものなんですが、若いうちはすぐに再生してくれます。
しかし年齢を重ねるとともに再生する速度が落ちて次第にすり減った部分に痛みが生じてきます。
関節軟骨がすり減っている人は正座や、階段の上り下りが辛くなったりなどの症状がみられます。
関節がすり減って痛みが出る以外の原因として以下のことが考えられます。
膝の関節は関節液という液体で満たされていてこの関節液が漏れないようにその周りを滑膜、関節包と呼ばれる組織が包み込んでいます。
関節液とは、関節の動きをスムーズにしたり関節内に栄養を運んでくれる役割があります。
この関節液は滑膜から分泌、吸収されますが滑膜が何らかの原因で炎症を起こしていると正しく分泌吸収が行われなくなり、関節液が過剰に溜まる場合があります。
このような症状を一般的に「膝に水がたまる」と言います。
膝に水がたまっているとむくんだリ張りが出てきます。そのまま放置していると膿となりますので早い治療が必要です。
ここまでで膝の痛みがなぜ起こるのか理解できたかと思います。
ではどのような人が膝痛になりやすいのでしょうか?
膝痛が起こりやすい人

膝痛が起こりやすい方には以下の4つの特徴があります。
・太っている
・スポーツや重労働での怪我
・日々の生活習慣によるもの
・変形性膝関節症などの疾患
これらのうち一つでも該当する項目がある方は、膝痛が起こりやすいと言えます。
原因と対策方法を見てみましょう。
太っている
肥満気味で体重が重い人は膝に負担がかかって関節軟骨がすり減る速度が速く、再生が間に合わなくて膝に痛みが出てくることがあります。
なので体重が重い人はダイエットや食事制限をして痩せましょう。
しかし、ただ運動不足の人は急に過度な運動をすると逆にひざを痛める元となります。
最初は軽いウォーキングや食事制限などで体重を減らし、力を加える筋力トレーニングなどで足腰の筋肉を徐々に鍛えていきましょう。
足腰の筋肉を鍛えることも関節痛予防には非常に良いです。
スポーツや重労働での怪我
スポーツや重労働で膝に強い衝撃がかかることで半月板損傷や靭帯損傷を起こしてしまう場合があります。
スポーツをする時はしっかりと準備運動を行いましょう。
筋肉に疲労が溜まっているときに激しい運動や過度な運動をすると膝を痛める原因となります。
もし不安であればテーピングなどを付けるなどして膝を守りましょう。
万が一怪我をしてしまった場合は患部を冷やしてすぐに病院へ行きましょう。
日々の生活習慣によるもの
日々の生活習慣はなかなか変えられないものです。
足がO脚、X脚になった人も多いのではないでしょうか?
このO脚、X脚も膝痛の原因で、O脚は膝の内側に、X脚は膝の外側に負担がかかります。
またその状態で運動をするとO脚では外側の靭帯、X脚では内側の靭帯を痛めることもあります。
改善方法としては徐々に矯正していくしかありません。
日ごろから姿勢などに気を付けて直していきましょう。
変形性膝関節症などの疾患
変形性膝関節症とは最初に説明したように膝の関節軟骨がすり減る病気です。
主に高齢者の方に多く、最近正座が出来なくなった、階段の上り下りが辛い、歩くと膝にじわじわした痛みが出るなどの症状が当てはまる方は変形性膝関節症の疑いがあります。
膝の症状をそのまま放置すると名前の通り膝の関節が変形して、最終的には歩けなくなってしまいます。
膝を治す方法は末期にあると手術で形を矯正するなど外科的治療になってしまうため、早期発見、早期治療が重要です。
また、似たような症状に「関節リウマチ」というものがあります。
関節リウマチはお年寄りに多いと思われがちですが30代~50代に多く発症していて、男女比が1:4と女性の方が多い統計です。
関節リウマチは自分の体内に侵入した細菌やウイルスを攻撃する免疫機能が何らかの原因で自分の細胞を敵とみなして攻撃することで炎症が起こります。これを「自己免疫疾患」と呼びます。
なぜ自己免疫疾患が起こるのか詳しい原因はわかっていません。
発症するまで気づきませんので20代~の女性で先程のような症状があらわれている方は整形外科へ行って詳しい検査をしましょう。
膝痛はどんな治療をするの?

上で説明したようにいろいろな原因でひざを痛めてしまいます。
日々の生活習慣からひざが変形してしまうケースからスポーツなどで怪我をするなど様々です。
膝痛の治療法は大きく分けると2つに分かれます。
- 保存療法
- 人体を傷つけずに治す方法。
- 外科手術
- メスなどで人体を切ったり注射でたまった水を抜いて治す方法。
今回は自宅で簡単に出来る「保存療法」についてまとめてみました。
保存療法
保存療法は5つの種類があり、個人で出来るものは生活習慣の改善、運動療法、物理療法です。
生活習慣の改善はすぐにでも出来るのでこの記事を参考にして取り組みましょう。
簡単に出来る改善方法は、膝に負担のかかる行為を減らすことです。
例えば正座の生活からイスを使う生活にしたり、階段の上り下りは極力控えたり手すりを利用するなどしましょう。
普段歩く際に杖を使うことも有効です。
しかし状態によっては悪影響になる場合もありますので専門医に相談しながら行うようにしましょう。
運動療法はその名前の通り運動をすることで治療します。
足には筋肉がたくさんありますよね?
運動や体操をすれば足の筋肉はもちろんですが骨や靭帯などの組織も丈夫になり、膝にかかる負担に強くなります。
なにより身体全体の健康に繋がりますね。
じわじわとした痛みがあるのであれば安静にしているだけではなく、無理のない範囲で歩いたりしましょう。
しかし激しい痛みがある場合は悪化してしまう可能性がありますので、その前に専門医と相談しながら治療しましょう。
物理療法は簡単に言うと患部を温めたり冷やしたりすることを言います。
もし膝に痛みや腫れがあって熱を持っている場合は冷やしてください。
タオルに包んだ保冷剤や氷水を患部に押し当てて30分は安静にしてください。
数日後腫れが引けた後は温めていきます。
腫れが引けるまでは包帯やテーピングで固定し、患部をなるべく動かさないようにすることも有効です。
部周辺も温めていきたいので、温シップやカイロなどを使用するよりはお風呂にゆっくり入ることをおすすめします。
お湯の中ではあまり負担はかかりませんし、十分に温めることができます。
また、お風呂の中で軽く膝の曲げ伸ばしをするとより血行が良くなり効果的です。
このように保存療法は自宅で試せるものなのでぜひやってみてください。
膝痛への自宅でできるケアまとめ

いかがでしたか?
痛みの原因から自宅で簡単に出来る治療法までご紹介しました!
このサイトの情報を参考にして膝痛に悩んでいる方の助けになればいいなと思います。
もし上記のことを試しても痛みが取れない場合は必ず専門医を受診しましょう。
また、専門医と薬や改善方法など治療方針を相談することも大切です。