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2018/08/08

膝の痛みの原因とは?そのメカニズムと治療方

膝の痛みに悩む人は大変多いです。その膝の痛みはなぜ起こるのか?その原因と対処法をご紹介します。
jointcare編集部 jointcare編集部

ジョイントケア編集部

膝の痛みは何が原因で起こる?

膝の痛み

膝関節の痛みは比較的ゆっくりと症状が進行していく慢性的な疾患であるためほとんど見過ごされてしまいがちです。

しかし、膝の痛みの症状が悪化していくのをそのまま見過ごしてしまうと、膝関節に強い痛みが生じたり、患部に熱感を感じるようになります。

最悪の場合、歩く・座る・立つといった生活の基本的な動作が制限されてしまうこともあるため注意が必要です。

膝関節は、大腿骨と脛骨、大腿四頭筋と膝蓋腱(しつがいけん)に支えられた膝蓋骨(しつがいこつ)という3つの骨の組み合わせによって構成されています。

この3つの骨の表面は弾力のある柔らかな軟骨で覆われており、この軟骨は骨と骨の衝撃を緩和するクッションの役割を果たしています。

さらに、膝関節は関節包という袋のような組織に包まれており、その中は関節液と呼ばれる液体によって満たされています。

この関節液は関節を滑らかに動かす潤滑油のような役割を担うとともに、軟骨に酸素や栄養を与える役割を担っています。

膝関節には様々な筋肉・腱・靭帯がくっついていて、それらが組み合わさって安定性を保っていることから、膝関節の曲げ伸ばしが可能です。

そのおかげで、正常な膝関節であれば、歩行や方向転換、その他の多くの動作について痛みを感じることなくスムーズに行えます。

しかしながら、何らかの原因でこの複雑な構成となっている膝関節に問題が生じると痛みを発するようになります。

膝関節に痛みが生じる原因は様々です。

以下では、膝関節に痛みが生じる原因について説明した後、膝関節の痛みを解消するための治療方法について説明します。

膝の痛みの原因

お医者さん

膝の痛みの原因には様々なものが考えられます。

その程度も様々ですが、ほとんどの場合が軽い膝の痛みだけですが、激しい痛みを生じさせる変形性膝関節や関節リウマチなどもよく知られています。

膝関節は、人体の中でも日常的な動作に深く関わっていることから、日々繰り返し酷使される部位です。

例えば、膝関節部に痛みを伴う疾患だけでも、変形性膝関節症・半月(板)損傷・膝靱帯損傷・膝離断性骨軟骨炎・オスグッド病・スポーツによる膝の慢性障害・膝蓋骨脱臼・腓骨神経麻痺・O脚及びX脚・膝関節捻挫・関節リウマチ・偽痛風などを挙げることができます。

それぞれの疾患はその原因も全く異なるため、まずは専門的な知識がある医師の診断を受けるようにすることが大切です。

自分の判断で膝の痛みを解決しようとすると、むしろ逆効果になることもあります。

膝関節に痛みが生じる原因の多くは、膝関節の軟骨が磨り減って生じる変形性膝関節症です。

力仕事やスポーツなどが原因となって膝周りの筋肉や腱が炎症を起こしている場合もあります。

膝関節部分には、大腿骨と脛骨、膝蓋骨の表面におよそ厚さ6mm程度の軟骨が存在しており、骨の間のクッションの役割を担っています。

しかしながら、加齢が原因となって、膝関節の軟骨が年齢とともに弾力性が失われてすり減ってしまい、膝関節が変形してきます。

膝関節部が変形する多くの原因が老化によるものですが、肥満や遺伝的要因が原因となることもあります。

加えて、骨折・靭帯や半月板の損傷などの外傷や化膿性関節炎などの感染症の後遺症などが原因となって膝痛が発生する場合もあります。

膝関節の軟骨が減ってしまうと、その部分に滑膜炎という炎症症状が起こるようになり、膝の痛みが出現したり、水が溜まってしまいます。

膝に水が溜まる原因は膝関節に炎症が起こったことによって関節液が増えるからです。

膝関節部分に炎症が生じることによって徐々に水が溜まっていき、さらに徐々に膝関節の軟骨が傷んでいきます。

それと同時に、骨棘(骨のトゲ)と呼ばれる骨の出っ張りや凹凸が膝関節の内部にできるため、これが周囲の組織を圧迫するようになって膝関節部に痛みを発生させます。

これが主な膝の痛みが生じるメカニズムです。

膝関節は、生まれてからずっと日常生活における負担を受けながら機能しているため、加齢とともに軟骨部分が磨り減ってくることは避けられません。

加齢によって軟骨が十分に再生されなくなってしまうと、更に骨が磨り減ってしまいます。

それによって関節の表面に凹凸ができ、なめらかな動きが阻害されて炎症症状から痛みが生じるようになります。

膝の痛みが軽度の場合には、膝に負担がかかる座った状態から立ち上がるときや、階段を降りるとき、歩いているときにだけ痛みが出る傾向があります。

しかし、症状が重症化してしまうと、膝の痛みが慢性化してしまい常に膝に痛みを感じるようになります。

安静時や睡眠時にも続くようになるため、生活に支障ができることもしばしばです。

さらに、膝の安定性が失われた状態であることから、歩行時には状態が左右に揺れたり、足を引きずるようになります。

膝の痛みに対する治療方法

男性医師

膝の痛みに対する治療方法は大きく保存的治療と手術治療に大きく分けることができます。

保存療法には様々な種類があり、運動療法(膝を守る周囲の筋肉を強化する)・薬物療法(外用薬や内服薬、ヒアルロン酸の注入などによって炎症症状を抑える)・装具療法(足底装具やサポーターを用いる)・物理療法(膝を温めたり冷やしたりする)などがあります。

一方、手術治療では、関節鏡視下手術などがありますが、膝の痛みに対する治療において、現在ではできるだけ保存的治療で症状の改善を目標とし、保存的治療で症状が改善されない場合には手術治療が行われることが一般的です。

より具体的に説明すれば、膝関節の痛みに対する治療として、症状が軽い場合には、痛み止めや内服薬や外用薬を使用したり、膝関節内にヒアルロン酸の注射などが行われます。

他にも、大腿四頭筋強化訓練や関節可動域改善訓練といった運動療法も、膝の痛みに対する治療として積極的に取り入れられています。

ただし、これら対症療法的な治療であるため、膝の痛みの根本的な原因を取り除くものではありません。

しかし、膝の痛みの症状を改善する効果は高いです。

膝が痛くなると、膝が痛いために動きたくない、安静にしておきたいと思いがちです。

しかし、動かずに運動不足になってしまうと、膝を支える筋力の低下や体重増加を招いてしまうため、膝にかかる負担が増加してより痛みが悪化するという悪循環になってしまいます。

そのため、膝の痛みがある場合には、適切に運動療法を行って、膝関節周辺の筋力アップを図るとともに、肥満体型の場合には体重を減らすことが必要です。

筋力アップや減量に成功すれば、膝の負担が軽減されるとともに、膝の痛みの症状が改善されます。

より具体的には、関節可動域を広げることを目的としたストレッチを取り入れたり、下半身を中心とした筋トレ、そして、膝にかかる負担を軽減した状態でトレーニングできる水中ウォーキングなどが効果的です。

ただし、これらの運動療法はすれば良いというものではないため、専門の医師にまずは診断を仰いだ後、作業療法士や理学療法士などの専門家の指導のもとで取り入れることが大切です。

運動療法の他にも、膝の痛みを取り除く治療としては、外用薬や内服薬による治療もあります。

軟骨に栄養を与えて膝の痛みを軽減し、膝関節が動けるようにする関節内注射による治療や痛み止めの飲み薬を服用したり、外用薬を使う治療など、薬による治療にも様々な種類があります。

関節内に注射をする場合、主に使われる薬剤やヒアルロン酸かステロイドです。

ヒアルロン酸はもともと関節内の関節液の中に多く含まれており、関節の動きをスムーズにしたり、膝関節のクッションの役割を担っています。

そのため、注射によりヒアルロン酸を膝関節に注入することで、関節の動きを滑らかにするとともに残存している健康な軟骨を守ります。

それに伴い膝の痛みや炎症症状も改善されるようになります。

通常、ヒアルロン酸注射による治療は毎週1回、5週間にわたって行われます。

ヒアルロン酸は時間の経過とともに体内に吸収されてしまうため、継続して注射する必要がありますが、ヒアルロン酸を注射しても膝関節の痛みが改善しない場合には、他の治療方法を選択するようにします。

一方、ステロイド注射は、ヒアルロン酸と違い、直接膝関節の炎症症状に対して働きかけます。

そのため炎症の抑制や痛みの軽減についてかなり高い効果を期待することができますが、注射を繰り返していると軟骨に悪影響を与える危険性もあるため注意が必要です。

上で説明したような治療で膝の痛みが改善しない場合には、外科手術が行われます。

膝の痛みに対する外科手術は最終手段です。

そのため、十分に運動療法や薬物治療などを試した上で選択することが大切です。

手術治療では、関節鏡という機械いて手術を行います。

関節鏡を使えば、関節内の様子を詳しく知ることができるため、より適切な治療が可能です。

膝に小さな穴を数カ所あけるだけで治療ができるため、負担も少なく、入院期間も短くて済むというメリットがあります。

その他にも、傷んでしまった膝部分の軟骨と骨を取り除き、その表面に人工関節を固定する人工膝関節置換術のような治療もあります。

軟骨と骨を取り除くため、手術後はO脚やX脚の下肢もまっすぐに矯正できるというメリットがあります。

ただし、人工膝関節置換術は、膝関節に重度の痛みなどの症状がある場合にのみ適用されます。

細菌感染の可能性があったり、耐用年数があることから、人工関節を将来的に交換しなければならないなどのデメリットもあるため、治療の前に十分に医師から手術について説明を受けた上で手術に踏み切るかどうかを判断することが大切です。

まとめ

膝の痛みの主な原因は加齢によるものです。

特に、膝関節を運動などによって酷使する場合には、痛みの症状が強く出る可能性が高くなります。

そのため、膝の痛みを緩和するためには、まずは患部の安静を保つようにすることが大切です。

ただし、老化によって膝関節周辺の筋力が衰えていたり、筋肉の柔軟性を失っているような場合には、その部分の筋力を高めたり、柔軟性を高める必要があります。

膝の痛みが出たら、適切な指導ができる医師のもとで、トレーニングを行い、それでも痛みが治らない場合には、投薬治療や外科手術を検討してみるとよいでしょう。