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膝のレントゲン写真

2018/01/23

膝のお皿の上の痛み。その原因と予防法とは?

AKIRA AKIRA

健康運動指導士
NACA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト

医療機関に従事しながら、これまで生活習慣病に関してや健康のための運動、筋力トレーニングについて等、健康やからだに関する内容を中心に数多くの記事を執筆している。

膝の痛みの中でも、膝の前面、内側、外側、後面など、痛みの出る箇所は人それぞれです。

今回は膝の前面、特に“膝のお皿”の周辺についての痛みについて解説していきます。

膝の痛みがある方、痛みを予防したい方、スポーツをしている方はぜひ“膝のお皿”の痛みの予防・改善に役立ててみてください。

“膝のお皿”とは

膝蓋骨を抑える人

膝の前面を触ると、固くて丸いような骨があるのがわかります。
一般的に、この骨を“膝のお皿”といいます。

正式名称は「膝蓋骨(しつがいこつ)」という骨を指します。

膝蓋骨は、上部は大腿四頭筋(太ももの前面)とつながり、下部では膝蓋腱(しつがいけん)を通じて脛骨(すねの骨)につながっています。
膝をまたいで上部と下部の動きを連結させるために重要な役割を果たしています。

膝のお皿に生じる痛みの原因

原因①脱臼

膝の痛みの中でも、膝のお皿つまり膝蓋骨が痛くなることが少なくありません。
膝蓋骨の痛みは、脱臼が原因となっていることが多くあります。

膝蓋骨は本来であれば膝の真ん中に位置しているはずですが、衝撃が加わることで位置がずれてしまうことがあります。
多くは外側にずれて脱臼してしまうことが多いようですが、これは膝蓋骨を外側に引っ張る強い力が加わることによって発症します。

膝蓋骨の脱臼は、生まれつきの膝蓋骨や大腿骨の形状によって発症しやすい人とそうでない人に分かれます。
例えば階段や坂道の上り下りやジャンプの着地など、強い衝撃が加わるときに大腿四頭筋の働きで横にずれてしまうことがわかっています。

原因②筋力のアンバランス

膝蓋骨は、上部は大腿四頭筋と、下部は膝蓋腱がつながって膝を構成しています。
脚の前面と後面、上部と下部などの筋力のバランスが保たれていることでこの位置が保たれています。

そのため、例えば大腿四頭筋が著しく筋力が強い場合、上の方へ引っ張る力が常に強いことになります。
本来であれば同じだけの下に引っ張る力が加わっていなければバランスがとれませんが、常に上に引っ張られている状態だと膝蓋骨に負担がかかってしまいます。

そのため「膝の痛みの予防のために・・・」とレッグエクステンション(椅子に座って、曲がった膝を伸ばす動作)やシシースクワットなど、大腿四頭筋を鍛えるトレーニングばかり行っていると、膝の痛みの予防どころか、痛みを引き起こす原因をつくってしまうことになるのです。

膝のお皿の痛みの予防法

膝が痛い人

膝蓋骨の痛みを予防するための方法は、バランスよく膝まわりの筋力を鍛えることが効果的です。
膝まわりの筋肉とは、大腿四頭筋、ハムストリングス(太ももの裏側)、腓腹筋(ふくらはぎ)、前脛骨筋(膝下の前側)があります。

ここで重要なポイントは、この中でどれか一つだけを鍛えてしまうと、筋バランスが悪くなり、膝の痛みの悪化につながってしまうということです。
前面の筋肉を鍛えたら、必ず後面の筋肉も鍛えるということを忘れずにトレーニングを行ってみてください。

大腿四頭筋のトレーニング方法

大腿四頭筋は、膝を伸ばすときに使われます。
そのため、椅子に座って膝を曲げて足を床へ下ろしている状態から、膝を伸ばすように動かします。

足首に重りをつけたり、トレーニングマシンなどで負荷をかけられるとさらに筋力は高まりやすくなります。

注意点は、膝を180度まで伸ばしきると過伸展といって膝関節に負担がかかるため、少し膝に余裕があるくらいで動きを止めるようにします。
この動きを15回程度くり返し行います。

ハムストリングスのトレーニング方法

膝を抱える女性

ハムストリングスは、大腿四頭筋とは反対で膝を曲げるときに使われます。
そのため、うつ伏せに寝転がり膝を伸ばした状態から、踵をお尻の方へ近づけるように膝を曲げる動作を行うことで鍛えることができます。

筋力が弱くなっている場合は膝を曲げるだけでも効果はありますが、筋力を効率的に高めたい場合は、太ももの裏にタオルなどをはさみ、そのタオルを押しつぶすように膝を曲げると力が出やすくなります。

つりそうになったらすぐに休憩をとるようにしますが、この動きも15回程度くり返し行います。

腓腹筋のトレーニング方法

腓腹筋はつま先を伸ばす底屈動作で使われます。
動きとしては、立っている状態で、膝を伸ばしたままつま先立ちをするような形です。

バランスがとりやすいように壁に片手をつき、つま先立ち→かかとを床にゆっくりおろすという動作をくり返し30回程度行うとよいでしょう。

負荷をかけたい場合は誰かをおんぶして行ったり、片足ずつ行うと効率的に筋力を高めることができます。
ポイントは、膝を伸ばしたまま行うことです。

前脛骨筋のトレーニング方法

前脛骨筋は、腓腹筋の反対、つま先を手前側に曲げる背屈動作で使われます。
前脛骨筋が弱くなっているかどうかのチェックに、和式トイレを使うときのように、しゃがみこみができるか挑戦してみてください。

かかとをつけたまま、下までしゃがみこむことができれば、前脛骨筋の筋力が衰えていないことがわかります。
しゃがみこみを数回行うだけでも、前脛骨筋の良いトレーニングになります。

膝蓋骨の痛みについてまとめ

今回は膝のお皿、つまり膝蓋骨の痛みと原因、予防法についてご紹介しました。

膝蓋骨は脱臼や筋力のアンバランスで引き起こされることが多いため、予防のためには筋力トレーニングがとても効果的です。
日常生活やスポーツ場面で膝に負担をかけることのないよう、トレーニングで膝まわりの筋肉を鍛えておくようにしましょう。