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股関節

2018/01/20

変形性股関節症とは?

AKIRA AKIRA

健康運動指導士
NACA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト

医療機関に従事しながら、これまで生活習慣病に関してや健康のための運動、筋力トレーニングについて等、健康やからだに関する内容を中心に数多くの記事を執筆している。

みなさん、股関節がどの辺りにあるかご存知ですか?

股関節はちょうど足のつけ根に位置し、人間の体の中で最も大きな関節で、体重を支えたり立ち座りや歩いたりするときなど様々な動作において重要な役割を果たします。

股関節に痛みが生じたり動かすことができなくなったりすると、普段何気なく行っていた動作のほとんどができなくなってしまいます。

今回はそんな大切な股関節によくある障害の「変形性股関節症」について解説します。

変形性股関節症の基本的な知識

股関節を伸ばす女性

股関節とは

股関節とは、骨盤のくぼみ(寛骨臼)に大腿骨頭(太ももの骨の先端)がはまっている部位を指します。
股関節は寛骨臼に大腿骨頭がはまっている形状ですが、体重の支持とともに柔軟な動きを出すために大腿骨頭の3分の2だけがはまっています。
そのため人によってははまり方が浅かったり、脱臼をしやすかったりすることもあります。

変形性股関節症とは

股関節の寛骨臼と大腿骨頭の間には、骨同士がぶつかるのを防ぐため「関節軟骨」と呼ばれる軟骨組織が存在します。
ちょうどクッションのような役割を担っています。

ところがこの関節軟骨がすり減ることで骨同士が当たってしまい、骨が徐々に破壊されてしまう症状を、変形性股関節症と呼びます。
変形性股関節症は気付かないうちにゆっくりと進行する場合と、急激に症状が悪化する場合があります。

変形性股関節症の診断

医師の診断

変形性股関節症はレントゲンを撮り、関節間の隙間を観察することで診断することができます。
少し軟骨が減り始めた初期では、レントゲンで関節間の隙間が狭くなっていることが観察できます。

変形性股関節症が進行すると、関節内に骨棘という異常な骨の組織がみられたり、骨嚢胞という骨の空洞がみられたりします。
痛みが激しい場合は、ほとんど関節軟骨を観察することはできません。

変形性股関節症の症状

変形性股関節症では、股関節の部分の痛みや違和感、お尻の痛み、太ももの痛み、膝の痛みと人によって様々です。
また痛みが無い場合でも、歩くときにからだ全体が左右に揺れていたり、あぐらや下にかがむような姿勢がとりにくくなったりという特徴があります。

股関節は大きな筋肉や靭帯に囲まれているため、自覚症状が出にくく、気づいた時には重症化していることも少なくありません。
直接股関節に痛みや違和感が出る以外に、膝やお尻など別の部位に痛みや違和感が生じることもあるので、日々自分の体の状態を観察し、違和感があればすぐに医療機関を受診することをおすすめします。

変形性股関節症の原因

股関節が痛む人

変形性股関節症は、関節軟骨のすり減りが原因ですが、関節軟骨は加齢とともに少なくなってきます。
つまり、加齢が変形性股関節症のリスクのひとつとなるのです。

また体重が重い方は、その分股関節に常に大きな負担がかかっている状態なので、体重が軽い方よりもリスクは高くなります。
他にも、股関節周りの筋肉が少なくなってしまうことも股関節に負担をかける原因になります。

変形性股関節症の予防法

股関節のレントゲン写真

ひとつは股関節周りの筋肉を鍛えることが大切です。
筋肉が働くと、内部の関節には負担がかかりにくくなりますが、筋肉が少ないとその分関節が頑張って働かなくてはならなくなります。

腸腰筋トレーニング(脚の付け根、前面の筋肉)

腸腰筋は膝を上げる、上体を脚の方へ近づけるような、股関節を屈曲させる動作時に使われます。
腸腰筋のトレーニングに効果的なのは、膝上げです。

これは立ってでも座ってでも行うことができます。
しかし膝を上げるときに猫背のような姿勢や腰が曲がってしまうと、別の部分に負担がかかってしまうため、背筋は伸ばしたまま行ってみてください。

大臀筋トレーニング(お尻の筋肉)

腸腰筋を鍛えたら、必ず反対側の大臀筋も鍛えるようにします。
大臀筋は、脚全体を体のうしろ側へ引く動作をするときに使われます。

片足立ちの状態で、上げている脚を少しずつうしろへ引いてみてください。
立っている軸足よりもうしろ側へ行くと、上げている側のお尻が硬くなっているのを感じることができるはずです。

大臀筋トレーニングでは、立った状態で脚をうしろへ引く動作がおすすめです。
膝を立てて仰向けに寝た状態で、お尻を天井へ持ち上げる動作も、同様に大臀筋を鍛えることができます。

股関節まわりのインナーマッスル

寛骨臼と大腿骨頭をつなぐ役割をしているのが、体の奥にある細いインナーマッスルです。
腸腰筋や大臀筋などの大きな筋肉を鍛えることも大切ですが、同様にインナーマッスルを鍛えることも変形性股関節症の予防にとても効果的です。

股関節まわりのインナーマッスルは、片足立ちになった状態で、上げている方の足を動かします。
そのとき、脚の付け根から円を描くようにゆっくり脚全体を回します。

最初はゆっくり小さな円から始め、慣れてきたらゆっくりと大きな円を描くようにします。
立ったままでもできますが、仰向けになって、天井につま先で円を描くように脚全体を回すことでもインナーマッスルは使われます。
ぜひやりやすい方法で試してみてください。

まとめ

変形性股関節症は、加齢とともにすり減る関節軟骨が原因となるので、誰にでもリスクがあります。
しかし体重が重すぎる場合は少し減量をしたり、股関節周りの筋肉を鍛えたりすることで予防することができます。

生涯にわたって自分の足で歩くことができるよう、今のうちにできることから予防を始めていきましょう。