joint-care

膝のリハビリ

2018/05/16

変形性膝関節症におけるリハビリの方法

変形性膝関節症は、主に加齢などが原因となって膝関節や膝関節が摩耗して炎症を起こし、痛みを感じるようになる症状のことを言います。

加齢だけではなく、肥満による膝への負担の増加、O脚、怪我などによる破損などが原因となることもあります。
jointcare編集部 jointcare編集部

ジョイントケア編集部

変形性膝関節症

膝の炎症

変形性膝関節症と診断される程摩耗してしまった軟骨組織は自己増殖能力に乏しいため、将来的にほとんど再生することは見込めません。

そのため、長期にわたって変形性膝関節症と上手に付き合っていくことが大切です。

変形性膝関節症の症状を現状よりも悪化させないためには、脚全体の筋肉を鍛え、特に膝周辺の筋肉を強化していく必要があります。

膝関節を支えている大腿四頭筋を鍛えることで、膝関節にかかる負担を軽減することができます。

弱った膝関節の筋肉を回復し、柔軟性を高めるためにはリハビリが重要です。リハビリは大きく分けて2つの種類があり、「運動療法としてのリハビリ」と「手術治療後のリハビリ」があります。

この2つでは、リハビリをする目的が異なるため、リハビリの内容も若干異なります。

前者は筋力の強化・柔軟性の回復・生活支援が主な目的となりますが、後者は、手術治療後の運動能力全般を回復させ、日常生活が自然に送れるようにすることが目的です。

以下では、変形性膝関節症の症状や痛みを改善するリハビリの仕方を運動療法としてのリハビリの仕方と手術治療後のリハビリに分けて詳しく説明していきます。

運動療法としてのリハビリの方法

運動リハビリ

変形性膝関節症となり、膝の痛みのためにあまり歩かなくなってしまうと、脚の筋肉が弱くなってしまうだけではなく、柔軟性も失われてしまいます。

膝の筋肉が弱くなってしまうと、さらに膝関節に負担がかかってしまい、膝の炎症症状や変形が強くなってしまうので、変形性膝関節症が悪化してしまう傾向があります。

そのため、変形性膝関節症においては、筋力トレーニングを行って脚の筋肉を鍛えるだけではなく、関節可動域を改善するためのトレーニングも同時に行って柔軟性も高めていくことが必要です。

これが、変形性膝関節症における運動療法としてのリハビリの基本的な考え方となります。

リハビリを行うにあたっては、一人で行うのではなく、専門的な知識を持った医師や理学療法士、作業療法士などの指導のもとで行うようにすることが大切です。

運動療法としての主なリハビリの方法としては関節可動域の改善筋力トレーニングが挙げられます。

変形性膝関節症の症状が悪化すると、膝の曲げ伸ばしがしにくくなってしまいます。

関節可動域の改善のためのリハビリを行う際には、疼痛が起こらない範囲、もしくはこの範囲をわずかに越える所まで行うようにします。

筋肉を大きくするための筋力トレーニングとは違うので、無理な負荷をかける必要はありません。

また、変形性膝関節症の症状が悪化することを防ぐためには、膝関節の周りの筋肉を強化することも大切となります。

変形性膝関節症において特にトレーニングによって強化すべきなのは大腿四頭筋です。

大腿四頭筋は、太腿の前面を覆う四つの筋肉から構成されています。非常に強力な筋肉であり、膝関節の安定化に最も重要な筋肉であると考えられています。

大腿四頭筋を鍛えるためには、「椅子を使った足上げ運動」が非常に効果的です。その方法としては、

  • (1) 医師に深く腰掛け、両足の底が床にぴったりとくっつくようにします。
  • (2) 無理のない範囲で、片足の膝を伸ばしながらゆっくりと上げていきます。
  • (3) 足を伸ばした状態で5秒間静止し、ゆっくりともとに戻します。
  • (4) (1)〜(3)を片足ずつ10回程度繰り返し行います。

運動療法としてのリハビリは、無理のない範囲でできるだけ毎日続けることが大切です。

関節の動きをサポートするサポーターを併用してリハビリを行うとより安全かつ効果的なリハビリが可能です。

手術治療後のリハビリの方法

軽いリハビリ

運動療法としてのリハビリとは異なり、手術治療後のリハビリはまずは日常生活が無理なくおくれるようにすることが目的です。

手術後の積極的なリハビリテーションによって、低回した筋力を回復させ、固くなってしまった膝関節の可動域を拡大させます。

前で説明した運動療法としてのリハビリと同様に、長期的な視点に立ってリハビリを継続することが大切です。

専門的な知識のある先生や理学療法士、トレーナーがリハビリの指導やアドバイスをしてくれます。

それらの指導やアドバイスにしたがい、無理のない範囲でリハビリを行うことが大切です。

無理なリハビリは逆効果となるため、適切な指導やアドバイスにもとでリハビリを行う必要があります。

リハビリ開始後、短期のリハビリの成績が悪くなってしまうことがあります。

その原因としては、膝関節に強い痛みを感じること、膝関節の可動域が狭いこと、筋肉の攣縮(れんしゅく)などがあることが挙げられます。

このような人は、手術治療後のリハビリがなかなか進まないことがあります。

その原因は、本人にはそんなつもりはなくても膝に痛みが出ることが不安となって、筋肉の攣縮が起こって膝やその周辺の筋肉に力が入ってしまうため、それ以上リハビリが進まないからです。

リハビリ成績が悪いからといって心配することはありません。手術後の状態やリハビリの進捗度には個人差があります。

長期的な視点に立って無理のない範囲でリハビリを行うことが大切です。

手術後、数日~10日頃から術後の状態を見ながら少しずつ足をついて歩く訓練を開始します。

手術を行った膝関節は、固有感覚(通常は意識上にはあらわれない感覚)が低下しまっているため、普段は気に留めていなかったことが意識しないと出来なくなっていることがしばしばあります。

リハビリでのトレーニング方法

ストレッチ

手術後のリハビリにおいては、固有感覚のトレーニングバランストレーニングなどを行って、固有感覚やバランス感覚を回復させていきます。

これを回復させるために、まず始めは平行棒や歩行器につかまりながら、だんだんと杖を使って歩くトレーニングを行っていきます。

順調にリハビリを行っていけば、手術治療を行った後、2~4週で杖をつきながら自力歩行が可能です。

自力歩行ができるようになったら、次に階段の昇降トレーニングをリハビリとして行います。

階段を登ったり降りたりする動作は膝に多少の負担がかかります。

しかし、日常生活において、階段の昇降や段差を乗り越えるといった行動は頻繁に行う動作であるため、この動作についてきちんと病院でリハビリを行っておくことが大切です。

歩行や階段昇降などができるようになった後は、家事・掃除動作など、自宅での生活に必要な動作練習を行っていきます。

上で説明したすべてのリハビリが自力でできるようになったら、自宅でリハビリを行います。

個々の患者さんの家と全く同じ環境を病院で作ることができないため、手術後のリハビリの仕上げとして、自宅で実際にお風呂に入る、トイレに入る、買い物に行くなど、日常生活の様々な動作を行い、特に問題がないようであれば退院が可能です。

退院後は、上で説明したような運動療法としてのリハビリを継続して行うようにすると膝にかかる負担を軽減し、膝関節の柔軟性を保つことができるため、継続してリハビリを行うようにすることが大切です。