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膝の痛み

2018/05/13

変形性ひざ関節症の原因とその治療

変形性ひざ関節症は、膝関節に発症する慢性の関節炎です。加齢とともに関節軟骨が磨り減ってしまい、膝関節が変形して炎症が生じ、膝関節に痛みが起こります。

膝関節は、3つの骨(大腿骨・脛骨・膝蓋骨)から構成されており、健康な膝関節の場合には、これら3つの骨の表面はとても柔軟性に富む軟骨と呼ばれる組織によって覆われています。

変形性ひざ関節症は、この3つの骨を覆っている膝の軟骨が、加齢とともに減少してしまうことで、膝関節にかかる負荷を吸収しきれなくなり、3つの骨がぶつかって擦れ合った部分において、軟骨、さらにはその下の骨が損傷し、関節に様々な辛い症状が現れるようになる疾患です。

より具体的には、膝関節の変形・痛みと痛みのために、膝の曲げ伸ばしができなくなったり、長距離が歩けなくなったり、階段昇降が辛くなったりします。

以下では、変形性ひざ関節症の原因とその治療方法について説明していきます。
jointcare編集部 jointcare編集部

ジョイントケア編集部

変形性ひざ関節症の原因

男性医師

変形性ひざ関節症は、膝の軟骨を中心とした関節内の構造物に変化が生じて、痛み・腫れ・変形などを生じさせる疾患です。

荷重時に膝にかかる負荷に対して、年齢を重ねるごとにクッションとして機能している関節軟骨半月板摩耗や変性が生じてきます。

膝の軟骨の摩耗が進行してしまうと、徐々に膝の軟骨が失われていき、大腿骨と脛骨の衝突を十分に吸収することができなくなって膝関節の変形が進行していきます。

その結果として、膝の滑膜が炎症を起こしてしまい痛みが生じたり、膝に過剰な関節液が溜まっていきます。

これが変形性ひざ関節症が生じる原因です。

変形性ひざ関節症の発症の原因は、明らかな原因がなく加齢とともに進行していく場合と、以前に受けた怪我などが原因となって発生する場合とがあります。

原因の多くは、明らかな原因はないが加齢によるものであると考えられていますが、膝関節周囲の筋力不足、体重の増加、O脚なども原因になると考えられています。

変形性ひざ関節症は、一般に加齢とともに軟骨の摩耗が進行していくことから高齢者が発症することが多い疾患であり、男性よりも女性に多く発症します。

なぜ女性に多いのかについては原因ははっきりとわかっていませんが、一般に女性ホルモンの影響・男性より筋力が弱いこと・加齢と共に肥満傾向にあることなどが考えられています。

変形性ひざ関節症の治療

膝の診察

変形性ひざ関節症の治療は、大きく分けて「手術以外の治療」と、「手術による治療」に分けることができます。

変形性ひざ関節症の治療においては、患者さんの症状や検査結果だけでなく、生活背景についても考慮しながら、保存療法手術療法を選択します。

生活背景まで考慮して治療する必要があるのは、変形性ひざ関節症が肥満による膝関節の負担の増加などが原因であることが多いからです。

変形性ひざ関節症は、急激に症状が進行するものはないため、手術による治療は最終手段と考え、長期的な治療が第一選択となることをまずはきちんと認識しておくことが大切です。

変形性ひざ関節症の治療に関しては、どのような治療が最適であるかは、患者さんの年齢やスポーツ活動、仕事内容を含め、社会的な背景を考慮しつつ、膝関節の変形の程度・痛みの強さを考えながら選択します。

整形外科などの病院で専門知識を有した先生と綿密に相談を行い、治療方針をきちんと決めた上で治療を開始することが大切です。

特に、変形性ひざ関節症の一つの原因は加齢による変化であるため、治療によって十分な効果が期待できる部分と十分に期待できない部分があります。

そのため、短期的に治療を行うことを考えるのではなく、変形性ひざ関節症と上手く付き合っていく方法を含めて治療方針を決めることが大切です。

変形性ひざ関節症に対して手術以外の治療を選択した場合には、主に保存的療法によって治療を行います。

保存的療法では、鎮痛剤を内服したり、外用薬を使って痛みを緩和します。

保存的療法は完治を目指した治療方法ではありません。

対症療法であるため、継続的に治療を続けていく必要があります。

鎮痛剤や外用薬以外にも、膝にヒアルロン酸を注射したり、ステロイド剤を投与する治療も行われています。

ヒアルロン酸を患部に注射することで、ヒアルロン酸が軟骨及び関節液の重要な成分となり、膝の軟骨表面を保護してくれます。

一方、ステロイド剤を投与すると炎症症状を抑えこむことができるので、膝の痛みが緩和されます。

薬剤を使わずとも、膝周辺の筋力を鍛えるトレーニングやリハビリ、膝関節の柔軟性を高めるストレッチなどによって症状が緩和されるケースもありますし、接骨院や整形外科で受けることができる電気治療によっても症状が緩和されることがあります。

手術による治療

膝の手術

手術による治療は、内視鏡(関節鏡)を用いて行います。

手術による治療では、膝軟骨のすり減りや傷による引っかかり、半月板など軟骨以外の関節を構成する組織の損傷による症状を和らげるために、内視鏡(関節鏡)を使って膝関節を綺麗にしていきます。

これは、関節内廓清術(かくせいじゅつ)と呼ばれ、関節鏡を利用してギザギザになった半月板や膝関節の軟骨の凹凸などを切除したり、整えたりします。

さらに、十分な保存的療法にもかかわらず、その効果がないと感じられる場合には、膝を人工関節に置き換えることによって、疼痛や関節機能を回復させることもできます。

この手術では、膝上から膝下にかけての皮膚から筋肉までを切開し、膝の骨に到達したら、骨を人工膝関節の形状に合わせて切り取り、人工膝関節を留置します。

膝を人工膝関節に置き換える手術治療では、関節の痛みを軽減すること、及び日常生活で必要となる膝関節の機能を回復させる効果が期待できます。

しかしながら、人工関節の耐用年数はおよそ15~20年である点には注意が必要です

将来的に、人工関節と骨の間に弛みが生じてしまうことから、そのような状態となった場合には、人工関節の再置換手術が必要となる点には留意しておく必要があります。