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2018/01/26

半月板損傷とは?その予防法と治療法

AKIRA AKIRA

健康運動指導士
NACA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト

医療機関に従事しながら、これまで生活習慣病に関してや健康のための運動、筋力トレーニングについて等、健康やからだに関する内容を中心に数多くの記事を執筆している。

膝の障害の中でも多くみられるのが「半月板損傷」です。スポーツ中や転倒、衝突などの衝撃が加わったときに損傷することが多くみられます。
「半月板損傷」という言葉を耳にしたことがある方は多いと思いますが、半月板とは私たちの体のどこに存在し、どのような働きをしているのでしょうか。

また半月板損傷をした場合はどのような症状が出るのでしょうか。
発生率の高い障害の一つであるため、日常生活や運動時には予防を心がけることが大切です。

今回は基本的な半月板についての知識から、半月板損傷の症状や予防法までご紹介します。
スポーツをする方もしない方も、生涯にわたって自分の膝を痛みなく使い続けられるよう、ぜひ予防に役立ててみてください。

半月板とは

半月板

半月板とは、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(膝下の骨、いわゆる“すね”)の間にある軟骨組織のことで、膝の外側と内側にそれぞれ位置しています。
半月板は衝撃を吸収したり、膝を安定させたりするクッションのようなもので、私たちの動きにとってとても重要な役割を担っています。

そのため半月板に傷がついたり割れたりしてしまうと、膝の曲げ伸ばしをスムーズに行うことができなくなります。
半月板損傷は、膝の違和感や屈伸時の痛みを生じて気づくことが多くあります。

半月板損傷での症状

半月板を損傷すると、膝を曲げ伸ばしする際に痛みやひっかかるような感覚が生じます。

痛みや違和感を我慢して動き続けると、炎症を起こし半月板の周囲に関節液が溜まって膝の腫れを起こしたり(いわゆる「水が溜まった」状態)、普通に歩くことすら困難なくらいの強い痛みに発展したりしてしまいます。

軽い症状から徐々に悪化するのではなく、いきなり膝を曲げることも伸ばすこともできなくなる「ロッキング」というひどい状態になることもあります。

半月板損傷の診断

半月板の診断

半月板は軟骨組織のためレントゲンには映らず、MRIで確定診断(80~90%程度)がなされます。MRI検査の際に、半月板の状態とともに靭帯組織の状態も確認することができるため、スポーツ中や転倒、事故などの衝撃で半月板を損傷してしまった場合には、靭帯の状態を確認することも大切です。

半月板損傷では、半月板に小さな亀裂が入った場合や断裂が生じた場合(縦断裂、横断裂、変性断裂)など、半月板に何かしらの損傷がある場合すべてを「半月板損傷」と診断されます。

半月板損傷の原因

半月板損傷の原因には、スポーツ中や転倒、衝突など半月板に一時的に強い衝撃が加わる場合と、加齢によって半月板自体が弱くなっている場合があります。
加齢によって半月板が弱くなっている場合は、日常生活の階段の上り降りや、ちょっとバランスをくずしたときなど、少しの膝のひねり動作で半月板損傷が生じることがあります。

加齢による半月板損傷

半月板は軟骨組織であるため、加齢にともないすり減ったり組織自体がもろくなったりと変性してしまいます。
そのため40歳以上では日常生活で膝に負担のかかる動作には注意が必要です。

スポーツ中の半月板損傷

スポーツ中では、ジャンプからの着地など半月板に強い衝撃が加わる際に、膝にねじれや体重のかけ方に偏りがある場合などに発生しやすいといわれています。

スポーツ中の半月板損傷は衝撃が強い傾向があるため、半月板の近くの前十時靭帯や後十字靭帯なども損傷している可能性があります。
そのため膝に違和感を覚えたときはすぐに運動を中止し、専門医を受診するまで膝の角度を変えないよう慎重に移動するよう意識しなければなりません。

半月板損傷になったときの治療法

半月板損傷の治療法

半月板損傷を生じたあとは、炎症がある場合は基本的に膝の屈伸が含まれるような運動は禁忌となり、安静的に回復を待つ保存的治療が主になります。
炎症が無い場合や回復の状態をみて、医師の判断によってリハビリを開始し、膝まわりの筋肉や関節の拘縮を予防することが必要となります。

また半月板の損傷具合によっては、損傷した部分を切り取る切除術や、断裂した部分を縫い合わせる縫合術などの手術が行われます。
これらの手術は基本的には内視鏡手術のため、膝に大きな傷跡が残ることはなく、回復も早いことが特徴です。

しかし手術後は炎症が治まるまで固定し負傷部位の安静を保ち、状態をみて徐々に動かしていくような手順となります。

半月板損傷の予防法

半月板損傷で多いのが、大腿四頭筋(ももの前側)の筋力と、ハムストリングス(ももの裏側)の筋力のアンバランスがあります。
特にハムストリングスに対して大腿四頭筋の筋力が強いと、障害発症率が高くなります。

そこで半月板損傷の予防法には、ハムストリングスの筋力強化がおすすめです。
とくにハムストリングスは加齢にともない最も筋力が落ちやすい部位のひとつでもあるため、スポーツを行う方以外にも推奨されます。

ハムストリングスは膝を曲げる動作時に使われるため、踵をお尻につけるような膝関節屈曲の動作に負荷をかけて行うと効果的です。
負荷は太ももの裏側とふくらはぎにタオルを置き、きゅっきゅっと膝を後方へ曲げながらタオルを力強く挟むようにすると、トレーニング効果を感じることができるでしょう。

ハムストリングスがつりそうになったら、トレーニングを中断して休ませてください。

半月板損傷まとめ

今回は半月板損傷についてご説明しました。

スポーツを行う方だけでなく、加齢にともない誰にでもリスクのある身近な障害の一つです。

しかし半月板損傷は簡単なトレーニングや日々の意識で予防することができるので、ぜひ試してみてください。